控え室。この部屋で、サラに会うのだ。
ドキドキ。
そろそろ入り口にたどり着く、という時、
私のすぐ前にいらした上品で綺麗なご婦人が、
振り向いて、にっこりと微笑んで下さった。
無言だったが、
「もうすぐサラに会えるわね。楽しみね」
と言って下さっているような微笑みだった。
私も同じ気持ちで、笑みを返した。
この方のお陰で、もう過ぎてしまったことを
グズグズ悩んだりしないで、この先の特別な
瞬間を楽しもう、という気持ちになれた。
いくつかテーブルがある、会議室みたいな所。
テーブルの上に非売品のポスターと、サイン入りの
写真が置いてあり、各自とるよう言われた。
ポスターは下のDVDの写真と同じデザイン。
直筆サイン入りの写真は、シンフォニードレスのもの。
皆、黙々と自分の分をとり、ポスターを巻き巻きし、
着席する。
テーブル席は座れる人数が少なく、他の者は
周りをコの字に囲んでパイプ椅子に座る。
私は一人参加な上、遅れてきた手前もあり、
一番最後の余った椅子を頂いた。
ちょうど入り口のドアを止めるような位置にあり、
邪魔じゃないのかと、尻が落ち着かなかった。
何とも言えない緊張から来る沈黙が、控え室を包んだ。
ここでシュウ・メイさんが、
「なんか、シーンとしちゃったわね・・・」
と言ったので、ようやく笑いが起こる。
「そんなに緊張しなくていいわよ!サラは、
怖い人じゃないから。いい人だからね!」
いい人なのは皆分かってる。
でも、あれだけの舞台を見せられた後で、あんな人に
会うのかと思うと・・・大抵の人はそうなってしまう。
「不思議なもので、同じ国でも毎回そのツアーによって、
皆のテンションも違うのよ。”キャー!サラに会える!”
って大騒ぎのツアーもあれば、もう、誰もしゃべらない
お通夜みたいな時もあるし(笑)。今日はその中間ね」
考えてみると、若い女の子ばかりというわけでもなく、
年配の方ばかりというわけでもなく、男性もいるし、
割とバランスのよいツアーかも知れない。
他のツアーを知らないから何とも言えないけど。
「サラは今、着替えをしたり、
軽くフルーツをつまんだりしているので、もう少し
待ってやってね。その間に、質問があればどうぞ」
あれだけの舞台を終えた後だから、消耗しているだろう。
きっと本当は沢山食べたいんだろうに、私たちのために
フルーツで済ませているのだったら、申し訳ないなぁ・・・。
次回はその、質疑応答の内容。
